神を呼ぶという「石笛」の演奏会で体験したこと

石笛(いわぶえ)という楽器を知っていますか?
人工的に作られたものではなく、全く自然にできた石の笛。
石笛は神を呼ぶのだそうです。
これは石笛奏者の横澤和也さんの演奏会に行ったときの不思議体験。

・・・

もう20年以上前になると思う。
大阪の小さなホールで行われた演奏会に行ったときのこと。
石笛についても横澤氏についても何も知らなかったのだけど、
「とにかく凄いから!」と知人に勧められ、ダンナと一緒に出かけていった。

ピンと張り詰めた空気の中、石笛の音が響きだす。
始めて聴く音色に興味津々。
その内、気持ちよくなってきて、その世界に浸ろうとしていたら・・・

なんだか上の階から音が聞こえてくる。
喋り声や笑い声。
最初は小さかったのだけど、段々大きくなっていく。
ヒートアップしているのか、椅子をガタガタさせるような音もしてきて、ますます酷くなっていく。

うるさいなー

と思いつつ、何とか演奏に集中しようとする私。

すると、次はステージの奥の方からゴーーーーーーという電車の音。
しかも結構頻繁に通る。

マジか・・・

いろんな雑音は、結局最後まで止むことなく、演奏会は終わってしまった。

もう、何やったん?

ちょっと疲れてしまい、しばらく席から立たずにボーッとしていたら、他のお客さん同士の会話が耳に入ってきた。

「ラップすごかったねー」

え?ラップ?

そ、そ、そ、そ、そういえば!
冷静になって考えてみると、小さいとはいえ、ちゃんとしたホール。
防音してあるのに、上階の音があんなに聞こえてくるはずはない!
外に出てみると・・・
キャーーー 電車なんて通ってないしぃぃぃぃぃ

えーマジで!

あのうるさかった音って、全部ラップ音だったんだ!!!

強烈すぎるラップ初体験。もう一生忘れられません。