ある時ふとわかることがある。
自分では一生懸命やってたつもりだったのに、そうじゃなかったんだと。
若い頃、建築設計事務所で働いてたことがある。
今では図面はみんなCADなんだろうけど、当時はドラフターを使って手描きしていた。
仕事は一生懸命やっていた。・・・つもりだった。
3年程勤めて退社した直後、知り合いの事務所から図面の仕事をもらった。
自宅で一人、図面を引き、少し緊張しながら持っていった。
自分個人が直接報酬をもらう初めての仕事だ。
所長さんが図面を見て一言。
「ここまで出来るとは思ってなかったわ」
良い図面だと褒められたんだけど、内心すごくショック。
私、甘えてたんだ。
その時に初めてわかった。
確かに改めて自分が見ても、しっかり描けていたと思う。
ここまで出来るくせに、やってなかったんだ。
自分で勝手に枠を作っていたんだ。
生まれて初めて、どこにも属さない自分が仕事を請け負い、自分一人が全ての責任を負う怖さと緊張。
それを乗り越えた時に、自分の枠を外すことができたようだ。
誰でも一生懸命やっているんだと思う。
これ以上どうせいっちゅうねん!と思うこともあると思う。
でも、何かのキッカケでそれまでの枠を突破できたら、一気に成長できるはず。
一度、そういう体験をしたら、今度は枠を拡げていくことが楽しくなる。
もちろん、しんどさはあるけど、見えないままにただしんどいだけじゃなく、その先があることを知っているから強い。
そうやって、少しずつ少しずつ枠を拡げていけたら、余裕もできてくるし、いろんなことを楽しめるようになるんだと思う。
もっともっと自分の枠を拡げていきたい!
死ぬまでそれを続けていきたーい。